10月7日 大下大円先生ご指導下、臨床瞑想法研修終了者同期性である越山智子氏が来寺してお参りされた。越山氏は、現在東京大学病院の看護師長であり緩和医療現場の最先端を担っている看護師さんです。越山氏と私とは、昨年、一昨年と岐阜飛騨高山市の千光寺(大下大円住職)において臨床瞑想法の研修を終了して指導資格を取った仲間同志です。そんな縁もありスピリチュアルケア、臨床瞑想、死の臨床などについて幅広く意見を交換し合っている仲間同志と言えます。今年度は、6月には同じく仲間の大阪市内科医浅田先生、兵庫県神戸市臨床心理士上野先生、京都府看護師山田先生らが来寺されてお参りされています。また、9月には同じく仲間である大阪市関西電力病院医師梶山 徹先生が来寺されて当山秋のお彼岸の時にご講演をいただきました。こんな仲間同士の繋がりと広がりが今では全国にまで広がっております。
スピリチュアルケア、臨床瞑想、死の臨床などこれまではあまり注目された分野ではありませんでした。しかし、ここ数年間に必要性、重要性が急速に増しております。これも国の「ガン対策基本法」が成立してから急速に広がりを見せている最先端の新しい分野と言えます。ただ、スピリチュアルケア、臨床瞑想、死の臨床などの分野の始まりは、最早10〜20年が経過しており決して新しい分野といえるものではありません。「ガン対策基本法」が施行されだした後、現代社会でのガンや難病などに対する多様な治療方法の一つとして急速にクローズアップし出しました。
これらの分野は、「人の生命」をこれまでは、単に身体のみを中心とした治療やケアであったのに対し、身体生命のみならず人間の社会的存在(財産、経済他など)の中における生命の在り方、家族や友人、会社などの繋がりの中に生ずる心理的ものを通しての生命の在り方、神や仏など目には見えないが何か大きな存在とつながっている生命の在り方などについて注目され出し、現代では、これら全ての生命の見方について生命として見る全人的生命としての考え、治療、ケアが如何にあるべきか問われる現実を迎えておりますた。
そんなことから当然宗教者にも当然関りが深くある為私のような僧侶の他に医療関係者、臨床心理関係者、社会学者、ソーシャルワーカー、教育関係者等など幅広い分野の方々との交流を通し、患者やクライエントに対して一緒に協力して生命を守って行こうとする機会が増えております。今回は、このような繋がりを通して越山氏が来寺されました。そして、ていろいろな分野について幅広い意見交換をさせていただいた所です。
今後も多くの異分野の方々との交流を通して当山のお寺が「生命を守る」ための大事な施設なんだということを広く知らしめて行きたいと考えております。
10月1日当山のお檀家である方にご一緒して帯広市墓地公園に出向き墓仕舞いに同行した。お骨は、幸い札幌分院納骨壇に納骨された。近年、地方都市や田舎町から大都会へと墓仕舞いをして移骨する人が非常に多い。また、家族や家庭の在り方の変化に伴いおお墓を誰がどのように継承するかかが大きな問題となっている。そんな中地方都市主に田舎町から大都会へと遺骨を移し永代納骨や永代供養とする形にする人が多い。家を継承するという日本の習慣は薄れ、先祖の遺骨はお寺に移して永代供養にするかはたまた共同墓地に収納して家族の負担が軽くなったと考えるか形態は色々だ。ただ、これまで地方や田舎で代々継続して繋いで守って来た日本的慣習が完全に崩れ出している現実がある。このことは当然のことながら地方や田舎のお寺のありかたも変質させてきている。このことにより地方や田舎のお寺が将来的に存続できるか否かの警鐘も鳴らし始めている。これから先どんな変化があるか真剣に見守ってゆく必要がある。